【行ってきました】徳島の名産「すだち」の搾汁現場を見る(JA徳島市農産工場)

JA徳島市/すだち

徳島県名東郡佐那河内村
徳島市の中心部から車で約35分。人口およそ2500人の、棚田でも知られる徳島県唯一の「村」です。「先代旧事本紀」には「天手刀雄神批者座ニ佐那県一也」との一文もあることから、天岩戸から天照大神を引き出した天手刀雄神とのゆかりを感じさせる、なんとも不思議な地域です。

佐那河内の「ももいちご」は有名ですが、昔から美味しいお米(『佐那河内米』)を生産する地域としても知られており、過去には佐那河内のお米が蜂須賀公に献上されていたとも言われています。

JA徳島市/すだち
※ 暑さのピークも過ぎた9月半ばの佐那河内村の風景。稲の刈取りの季節です。

JA徳島市/すだち
※ 公演の日を待つ犬養の農村舞台。公演の日には、広場が人でいっぱいに。

すだちの産地として、神山町に次いですだち生産が盛んな佐那河内村。その佐那河内村には徳島市農業協同組合(以降、JA徳島市)の農産工場があり、毎年9月には収穫したばかりの旬のすだちを搾汁し、すだち酢(すだち果汁)を作る作業が行われています。

日付は9月15日。JA徳島市の農産工場にお邪魔してきました。

JA徳島市/すだち
※ カゴいっぱいのすだち。これから選別機にかけられます。

JA徳島市/すだち
※ 機械で選別されたもののうち、キズ・痛みのあるものを人の目と手で最終確認。

JA徳島市/すだち
※ 画像右のリフトで2階へ。

JA徳島市/すだち
※ 選別に引っかかったすだち。たい肥などに使われます。

この時期、農産工場には毎日20~24tのすだちが集まり、搾られています。そのうちのおよそ6tが果汁になり、残りは搾りかすとしてたい肥などに加工されます。

JA徳島市/すだち
※ 2階に上げられたすだちは洗浄装置で洗われます。洗われる様子がなんとも愛らしい。

JA徳島市/すだち
※ 洗浄後。搾汁装置に吸い込まれるすだち。ステンレスの坂をゴロンゴロンいわせながら転がっていきます。

JA徳島市/すだち
※ すだちの搾汁装置。ローラーとローラーの間をすだちが押し通っていきます。

JA徳島市/すだち
※ すだちの搾りかす。

搾った後のすだちは、コンベアを経て外のタンクへと運ばれ一時的に溜められます。溜まったすだちの搾りかすは数回に分けて、農産工場とは別のところにあるたい肥加工場へと運ばれ再利用されます。

JA徳島市/すだち
※ 搾りにしぼったすだちの果汁。ワチャチャっと流れ出てきます。

アク、種、その他の搾りかすを除かれたすだち果汁は、管を通じて1階にあるタンクへと運ばれビン詰されます。今回工場を案内していただいた工場長の小川さんによると、「うまみのある搾ったままのすだち果汁だと、果汁を使って液面がさがるごとに、ビンの内側に輪っかができる。」とのこと。成分を除きすぎると、この【自然の輪っか】が現れません。

JA徳島市/すだち
※ 殺菌されたビン。次々にすだち果汁が充填されて隣の部屋へと運ばれていきます。

JA徳島市/すだち
※ すだち酢のパレット詰め。ビンに傷が無いかなども確認。

こうしてビン詰されたすだち酢(すだち果汁)は、すぐに出荷されるものとは別に、露地すだちの新鮮な味わいを保つため、搾ってからすぐに冷凍庫へと移され保管されます。冷凍庫で保管することで露地すだちの新鮮さが保たれ、1年中、日本各地に美味しいすだち酢を出荷できます。

JA徳島市/すだち
※ 冷蔵庫内は-20℃の世界。工場長の小川さんのメガネも寒さでまっ白に。

こうして、商品化されたすだち酢が、皆さんのお手元へと届けられています。1年分のすだち果汁を搾り終えたJA農産工場では、装置をすべて洗浄した後、搾汁装置のセッティングを変えてゆずなどの搾汁も行っています。

JA徳島市農産工場

すだち酢

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  • あぐり工房美郷 ( LINK/Twitter
  • 株式会社 阿波酢造 ( LINK
  • 有限会社 佐藤宇一郎商店 ( LINK
  • JAあなん ( LINK
  • JA徳島市 ( LINK
  • 西地食品 有限会社 ( LINK
  • 株式会社 柚りっ子 ( LINK