徳島県吉野川市・美郷地区。
美郷地区は徳島県の中東部、吉野川に沿う形で位置する吉野川市の中ほどにあります。JR阿波山川駅から車で10分ほど山側に入ったところにあり、ホタルの里として知られています。また、「にほんの里100選」にも選ばれた『高開の石積み』をはじめとした、美郷ならではともいえる農村の風景は、訪れた人たちが再び訪れる動機にもなっています。
同地区は、2004年9月30日まで鴨島町、川島町、山川町、美郷村の3町1村で構成された麻植郡の一部でしたが、2004年10月1日に3町が合併し、吉野川市となってからは、吉野川市の一地区となっています。
吉野川市の市民生活課によると、平成24年10月末時点の人口は1,157人(男性:554人、女性:602人)となっており、2004年の合併時(平成16年10月末)の人口1,394人(男性:664人、女性:730人)と比べ、この8年で13%程度の人口減となっています。
徳島の山地共通の悩みを抱える美郷ですが、近年は地域を盛り上げようと、「全国初の梅酒特区」という地域特性をベースに『梅酒まつり』を開催しています。
今回の「行ってきました」では、第4回目を迎える梅酒まつりで梅酒を楽しんできました。
※ 美郷を流れる川田川。かなりキレイです。
午前9時20分、JR阿波山川駅に到着。
梅酒まつりなどイベントの際は、同駅←→美郷で臨時の無料シャトルバスが走っているようで、駅舎から出るとほどなくバスが到着。20人乗りのバスがあっという間にいっぱいに。
JR阿波山川駅付近は細い路地が多く、車も多くは止められないため、大型バスが入るのは難しいようです。そのため、2台目のバスは付近にスタンバイし、1台目が出た後、入れ替わりで入ってきていました。
バスに乗っていると案外?というべきか、阿波池田の日本酒祭りと比べると女性比率がやや高い様子。ご婦人方、夫婦連れや母・娘で来ている人たちが見られ、女性にとって梅酒がどれほど親しみやすいものかを改めて知りました。
バスでゆられること約15分。「美郷ほたる館」に到着。地元の人はお祭りモード!
※ 美郷ほたる館前。館内では木工の外、ホタルかごが展示されていた。
梅酒まつりは10時から開催のため、ほたる館にて待機。一先ず、梅酒まつりで使うクーポン券(5枚つづり)を購入。グラス1杯につき、券を1枚ずつ切り取って使います。
よく見ると、TVの撮影も。地元テレビ局のアナウンサーが一人でカメラを持って、梅酒まつりの取材をされていました。
そうこうしている内に10時となり、バスが発車。
今回は時間も限られていたため、まずはじめに物産協会の会員でもあるアワグラスさんのいるポイントまでシャトルバスで移動しました。
※ アワグラスさんの梅酒を堪能。隣では美郷で採れた桑の葉のお茶を販売。
アワグラスさんでは、UME KORORO(ウメ・コロロ:3種類の小梅[竜峡小梅・美郷小梅・光陽]を使用)とMOON FLOWER(ムーン・フラワー:「月世界」という品種の梅を使用)の計2種類の梅酒を作っています。どちらも手摘みで、収穫後24時間以内に原酒に漬けこんでいます。
筆者個人的にはUME KOROROが好きなので、新酒と1年物をいただきました。
※ UME KOROROの新酒。一年物はやや黄身がかっていますが、味が練れている。
※ 梅酒とクーポン券。朝一からすでに2杯を消化。
会場には水やお茶をはじめ、梅酒をわるための炭酸水や炭酸のジュース類などが用意されており、色々な楽しみ方ができるよう心配りがされていました。
正直なところ、梅酒に対してはある種の偏見を持っていたのですが、2ヵ月ほど前に美郷の梅酒を口にしてからそうした認識が変わったこともあって、実に気分よく楽しめました。
午前10時半。天気も素晴らしく、絶好のイベント日和!風の冷たさも心地よく・・・。空を見上げると巻雲が。
※ 梅酒を飲みながら空を見上げると、のれんのような巻雲。ラッキーです。
10時半過ぎ、ほたる館←→アワグラスのシャトルバスが到着。次の目的地、東野リキュールさんのポイントへ移動。
※ 開始間もない時間帯ながら、家族連れや夫婦で賑わう。
先ほど書いた筆者の認識を変えてくれた梅酒が、東野リキュールさんの白竜峡。腰の座った味わいに、自分が持っていた梅酒に対する苦手意識がなくなりました。少しアルコール度数が高いですが、飲みごたえがあります。
ここでは、前に飲み損ねた紅竜峡を。シソの香りと梅の酸味が口に広がります。
椅子に座って梅酒をゴクゴクやっていると、婦人会の方?がお味噌汁を持ってきてくれました。どうも来場者の方々にふるまわれている様子。ちょっぴりピリ辛な味付けでしたが、梅酒のもつ甘やかさや美郷の冷たい空気とも合っていました。
ここからは、美郷物産館と大畠酒造まで徒歩で移動。あまり離れていないため、いい気分転換になります。
※ 美郷物産館。地元で採れた野菜や果物、美郷の加工食品が並ぶ。
今の時期は、採れとれの大和柿がコンテナいっぱいに積んであります。この外、梅の関連商品はもちろんのこと、雑穀やお茶類、すだち果汁、お菓子、日本ミツバチの蜂蜜などが並んでいました。また、物産館の外には観光パンフレットや梅酒の紹介チラシなどが設置され、美郷の情報発信の基地となっています。
みさと屋 美郷物産館
- 住 所 徳島県吉野川市美郷字峠463-3
- 連絡先 0883-26-7888
- ホームページ http://www.tsci.or.jp/misatoya/
- 営業時間 10:00~17:30(休館日:年末年始)
- 定休日 年末年始
一通り美郷の特産品を見たところで、大畠酒造を目指します。
ここから大畠酒造までは歩いて約20分。距離的にはそれほどでもありませんが、結構な坂道を登ることになります。
※ 向こうの方に見えているのが大畠酒造。
フーフー言いながら登っていくと、楽しそうな声が。どうも大畠酒造の玄関口でダーツをやっていて、ダーツで目的の箇所に当てると美郷の特産品があたる、というようなゲームをしていました。
筆者自身は時間もなかったため、残りのクーポン券をすべて使い切り。辛口と甘口の梅酒を堪能。梅酒を注いでくれた人から「梅シロップ、美味しいですよ!」と声をかけられましたが、大畠酒造←→ほたる館のバスが到着したため、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にしました。
※ 丘の上では、梅酒まつりを訪れた人たちと地元の人たちが楽しそうに語らう姿が。
ほくほく顔でほたる館に戻りましたが、予定のシャトルバスの時間に3分ほど間に合わず、1つあとのシャトルバスに乗ることに。館内でJR阿波山川駅行のシャトルバスを待ちながら、梅酒の香りの余韻にひたりました。
今回は充分に時間がとれず、ずいぶん足早に各所を訪ねることになってしまいました。寄れないところもあって残念ではありますが、次回の楽しみに!とっておきたいと思います。
なお、美郷の梅酒まつりは終わりましたが、毎年12月に開催されている『高開の石積み』のライトアップは今年も行われるとのこと。
第9回ふるさとイベント大賞部門賞を受賞した『高開の石積み』のライトアップ。今年は12月15日(土)と16日(日)の両日、午後5時~午後9時まで実施されます。
→高開の石積みライトアップ(吉野川市のニュースリリース)
ご興味ある方はぜひお立ち寄りください!