徳島県・池田。
池田地区は三好市の中心的な区域であり、JR四国・徳島線下りの最終駅「阿波池田」駅があります。「四国酒まつり」のホームページ(コチラ)によると、
当地「阿波池田(三好市)」は、知る人ぞ知る隠れた酒処。南には剣山山系、北には阿讃山脈を望む山狭の盆地です。盆地特有の気候により冬場の冷え込みが大変厳しい地域で、日本酒の仕込み時期の平均気温は2℃であり、この気温は、酒処新潟と同じです。また、現在の蔵数は5蔵ですが、以前は10蔵以上存在していた時もあり、「四国の灘」と称されていました。うまいお酒があるところ、うまい米と水もある。徳島県は「阿波山田錦」に代表される酒造好適米の産地であり、日本三大河川の一つ吉野川の伏流水(母なる水)がこんこんと湧き出ている地域でもあります。
とあるように、阿波池田は酒造りに適した地域として酒好きに知られた場所であり、美味しい日本酒が作られている「徳島の酒どころ」のひとつです。
上記の『阿波山田錦』についてはコチラでご紹介しています。
当地区の人口は平成24年2月時点で14,020人(男性:6,557人、女性:7,463人)、世帯数は6,415となっており、5年前の平成19年2月時点で15,419人(男性:7,247、女性:8,179人)、世帯数6,589であったことを考えると、5年前と比べて世帯数は2.6%減、人口は10.1%減(男性:10.5%減、女性:8.8%減)となっており、三好市内では最大の地区ながら、人口減少に悩んでいます。
そうした日本全国で見られる現象をかかえた池田ではありますが、阿波池田商工会を中心に、池田の文化的・歴史的に優れた酒蔵の集積を観光資源として再認識しつつ、四国内の様々な地域と連携して現状を乗り越えていこうとの想いから、平成11年に初めての「四国酒まつり」を開催。以降、徳島県・三好市・三好市観光協会・商店街等の協力・協賛も得て、今年で13回をかぞえる三好市を代表する名物イベントとなりました。
→ 阿波池田商工会議所
→ 四国酒まつりのページ
※ 四国酒まつり前日のJR「阿波池田」駅構内。・・・酒だらけ。
筆者は前日に祖谷(いや)地区の取材があったため、「阿波池田」駅近くにて宿泊。前日は暴飲暴食を控え、早く寝ることで万全の体調に。
午前9時、駅の様子を見るため「阿波池田」駅へ。午前9時の「阿波池田」駅前は、一くせも二くせもありそうな(?)屈強な青年男女が、朝の「阿波池田」駅に賑わいを添えていました。よく見ると、筆者の酒の先生でもある、中学時代からの友人のお父上の姿も。
※ 四国酒まつり会場でもある三好市中央公民館前の様子。
※ 四国酒まつり会場内。すでに人でごった返している。
※ 四国酒まつり会場内。見知った顔もちらほら。
入場の際には入場券を提出します。前売り券1200円、当日券1400円で、酒まつり前にはJR四国の駅にある「みどりの窓口」などでも購入が可能です。これで、四国4県のお酒計38種が「飲み放題」になりますが、子連れの方は子供さんの分の入場料もかかってしまうので注意が必要です。
入場券を渡すと、その日試飲できるお酒のリストとガラス製のおちょこをもらえます。
※ お酒のお注ぎ用器具。下のでっぱりにおちょこを押し付けるとお酒が出ます。
※ 少なくなったお酒を注ぎたす地元の方々。残念ながら蔵の方は来ていなかった。
※ お酒談義にも花が咲きます。皆さん、本当にお酒好きです。
さすがに13回もやっていると、皆さん随分と慣れていらっしゃるご様子。玄人の方は着ているジャケットのポケットに柿ピーやさきイカを入れていて、飲んではポケットに手を突っ込んでおつまみを出す、という状態です。手を入れるごとに違うおつまみが出てくるドラえもんのような猛者もおり、それはそれで楽しめました。
筆者も一掴みもらいましたが、おつまみの存在感はかなりのもの。その必要性をヒシヒシと感じ、次回の参考とさせてもらいました。
※ お酒を使ったカクテル作りバトルの様子。みなさん参加する気満々、”ノリ”も良いです。
今回は仕事ということもあって、お楽しみはほどほどに。後ろ髪引かれる思いで会場を後にし、同日同時に開催されている「うだつマルシェ」へ。
※ 本町通り沿いにテントが見られる。雨だったのが惜しいです。
うだつの町並みが残る池田の「本町通り」。築150年の古民家を改装したイベントスペース「スペースきせる」や「たばこ資料館」などもあり、風情のある街並みと石畳の道が魅力的ですが、その「スペースきせる」を中心に「うだつマルシェ」が不定期開催されています。
第3回目となる今回のマルシェには計40店が出店し、雨にもかかわらず賑わいを見せていました。
→ うだつマルシェ
次回開催は5月5日で、現在出展者を募集中です。
※ 本町通りにある阿波池田たばこ資料館「うだつの家」。
※ 地元の婦人会ブース。うどんなどをふるまっていました。
※ 三好市教育センター駐車場。徳島の酒まんじゅうの外、他県産品もチラホラ。
※ 二宮製菓前にブースを構えていたつづき商店さん。祖谷そばが美味しい。
※ 同じくつづきさんのところで売られていた祖谷オリジナルのじゃがいも「ごうしいも」
この「ごうしいも」、祖谷だけにしかないかなり面白い素材なので、また別の機会に取り上げますが、揚げて塩をふっただけにもかかわらず、味が濃く、しっかりもっちりした歯ごたえ。品種改良等されておらず、本当の「昔の味」を今に伝えています。
そばとごうしいもで腹を満たした後は、「四国酒まつり」の目玉!新酒が出来上がる忙しい時期ながら、酒まつりの時だけ特別に開放される池田の酒蔵の見学をしてきました。
実際には、池田地区から少し離れた辻にある芳水酒造も酒蔵を開放していますが、今回は時間の都合で見学できず・・・。来年のお楽しみです。
※ 「今小町」のブランドで知られる中和商店さん。
※ 中和商店さんの蔵内。お酒の試飲にばかり目がいき、肝心の写真があまり撮れていない・・・
※ 中和商店さんの蔵の外。煙突が印象的です。
※ 甘口のお酒が特徴的な三芳菊酒造さん。中和商店さんのすぐお隣です。
三芳菊酒造さんでは、入口入ってすぐのところで各種物販をされていたため、人も多く写真を撮りませんでしたが、徳島新聞等でも取り上げられた『三芳菊ロール』や、酒かすを使った「酒かすこんぺいとう」などあり、日本酒とは違いながらも日本酒の味と香りがほどよく残る面白い商品が見られました。
今回の酒まつりの蔵開放では、隣同士でありながらまったく表情の違う三芳菊酒造と中和商店のお酒を飲み比べられ、本当に面白い経験をしました。
芳水酒造の蔵開放と、25日夜にホテル「大歩危峡まんなか」で開催された「四国 酒まつりの夕べ」に行けず、残念ではありましたが・・・。初めての「四国酒まつり」、大満足です!来年が楽しみです。
「日本酒は苦手」という方も、自分の肌に合ったお酒が見つかるかもしれません。ましてや、四国4県のお酒が一堂に会する当イベント。雰囲気だけでも十分に楽しめるというもの。少し気の早い話ですが、来年の予定に「四国酒まつり」をぜひ加えてみてはいかがでしょうか?
余談ですが。
やっぱりというか、当然というか。
午後1時半に池田を後にしたわけですが、「阿波池田」駅の構内ではすでに酔っぱらってベンチで寝ている人も。
前出の、筆者のお酒の先生曰く、
「まだまだやさしいほう。広島の酒まつりはもっと激しい。帰るときには、その辺に人がいっぱい倒れている。」とのこと。
・・・御後もよろしいようで。
当記事内の文章及びその表現について、未成年者・妊婦・運転される方等に対し飲酒を勧めるものではありません。これらに該当する方々はお酒を飲まないでください。また、飲酒される方につきましても飲む分量はほどほどに、気遣いを大切に、周りの迷惑となる行為を避けるようお願い致します。